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認定こども園、どこが問題か

大阪保育運動連絡会会長 中山 徹

認定こども園とは

大阪保育運動連絡会会長 中山 徹


3年ほど前から、幼稚園と保育所を一元化すべきという話が急に進み出しました。 このような考えを幼保一元化といいます。幼保一元化は、もともと保育関係者から出された考えでした。というのは、保護者の状態によって子どもの通う施設が、保育所と幼稚園に分かれるのはおかしい、幼稚園と保育所を区別せず、同じ施設にすべきではないか、と考えたからです。  でも、いま進んでいる幼保一元化は、構造改革、規制緩和の中で取り組まれています。そのため、保育所と幼稚園、双方の特徴を発展させ、よりより統合を目指すものにはなっていません。それどことか、今まで築き上げてきた公的な保育制度を掘り崩す内容となっています。  いま、開かれている第164国会でこの幼保一元化に関する法律案が審議されています。簡単に内容を説明しましょう。法律の正式な名前は「就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律」です。これは今ある保育所と幼稚園をなくすものではありませんし、保育所、幼稚園と別に新たな施設を作るものでもありません。今ある保育所、幼稚園などを拡充することで、実質的に保育所と幼稚園、双方の役割を果たす施設を作ろうという内容です。このような施設を「認定こども園」と呼んでいます。この認定子ども園は4種類あります。幼稚園と保育所が連携を図る幼保連携型、幼稚園が保育所機能を持つ幼稚園型、保育所が幼稚園機能を持つ保育所型、認可外保育施設が幼稚園機能を持つ地方裁量型です。幼保連携型と保育所型は認可保育所、それ以外は認可外保育施設です。


私立認定保育所を、市町村から切り離す

 今回の法律で最も重要なのは私立保育所の扱いです。私立保育所が認定こども園になりますと(以下、私立認定保育所と呼びます)、ふつうの私立保育所と大きく仕組みが変わります。  まず一つめは、直接契約になるという点です。私立保育所の場合、入所の申し込みは市町村にし、市町村で入所の選考を行います。しかし、私立認定保育所の場合、入所を希望する私立認定保育所に保護者が直接申し込み、その私立認定保育所が選考します。  二つめは、施設ごとに保育料を決めるという点です。私立保育所の保育料は市町村が決め、保護者は市町村に支払います。それに対し、私立認定保育所では施設ごとに保育料を決め、保護者は私立認定保育所に保育料を支払います。  保育の実施責任を有するのは市町村です。ところが、私立認定保育所については、認可保育所であるにもかかわらず、選考、保育料の決定という公的保育制度の根幹において市町村が関われなくなります。これは、都道府県が市町村に代わるのではなく、行政が関与できなくなると考えるべきです。  このことは法律で定められた選考、保育料以外の分野にも及びます。たとえば、市町村は児童福祉法に基づき保育計画を、また、次世代法に基づき行動計画を立案します。ところが、私立認定保育所で行う選考については、当該市町村の権限が及ばず、隣接する他市町村の子どもが大量に入所することが起こりえます。保育計画や行動計画は、認可保育所における選考を市町村が行うから実効性が保てます。私立認定保育所のように市町村の権限が及ばない施設が増えると、計画そのものが困難になるでしょう。


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