認定こども園、どこが問題か Part2
大阪保育運動連絡会会長 中山 徹
大阪保育運動連絡会会長 中山 徹
前回掲載した「認定こども園」に対して大阪保育運動連絡会の見解を簡単に述べます。
(「認定こども園に対する大阪保育運動連絡会の見解」全文はこちら)
認定こども園になると、認可保育所であっても以下の点で従来の認可保育所と大きく変わります。
@施設ごとに保育料を設定する
認可保育所の場合、市町村が保育所を決めるため、同一市町村内では、公立、私立を問わず、保育料は同じです。ところが、認定こども園は認可保育所であっても施設ごとで保育料を定めます。そのため認可保育所の保育料が市町村内でまちまちになります。
A入所選考が市町村単位から施設単位になる
認定こども園は各施設ごとで選考を行います。その選考を公正に行なうことは当然必要ですが、市町村が選考するように、全体で優先度の高いこどもを入所させるような仕組みは望めず、同一市町村内でもより優先度の高い子どもが認可保育所に入れないという事態が発生します。
B保育料の滞納が退所に繋がる
従来の制度では市町村が保育料を徴収し、保育所は保護者の支払う保育料とは関係なく、必要な運営費を市町村から支給されます。ところが、認定こども園では保育料はその保育所に直接、支払います。そのため保護者が何らかの事情で保育料を滞納した場合、その保育所の収入に響き、子どもの退園につながります。
認定こども園は公的保育制度を崩すもの
児童福祉法では保育の実施責任は市町村にあり、公立、私立を問わず市町村が保育料の決定、入所選考、保育料の徴収、保育計画に責任を持っています。ところが私立保育園が認定こども園になるとこれらが消滅します。
待機児童が多い大都市では私立幼稚園が認可保育所を併設し認定こども園になる例が増えると思われます。この場合は直接申し込み、保育料は施設が決定、保護者は保育料を施設に支払うという形であるため、イメージとしては元からある幼稚園とほとんど変わりません。まして預かり保育を実施していたところでは、その傾向が強くなり状況にもよりますが幼稚園バスを使って、広域から、場合によっては他市町村から保育所児を集めてくるかもしれません。認定こども園は認可保育所という位置づけを残したままであるため、認定こども園が認可保育所制度を直接、崩してしていくものになります。
さらに問題点として
@認定こども園は財源的保障が制度的に不十分である。
A保育に欠ける子どもの扱いに大きな差がある。
B従来の最低基準を下回る。
従来の公的制度をさらに発展させる幼保一元化へ
大阪保育運動連絡会は幼稚園と保育所の一元化に反対しているのではありません。今回の認定こども園に反対しているのです。少子化が急速に進んでいる地方では、子ども集団を確保するために、保育所と幼稚園の一元化が模索されています。大都市部で待機児童を抱えている地域でも、幼稚園には空き教室が存在しています。それを適切に活用すれば、待機児童解消に繋がるでしょうし、むしろ積極的に活用し、かつ、従来の公的制度をさらに発展させるような認定こども園の法改正が望まれます。
大阪府が「認定こども園の認定基準(案)骨子」に対するパブリックコメントを実施
平成18年8月1日(火)〜31日(木)まで
くわしくは大阪府のホームページに掲載
http://www.pref.osaka.jp/jido/kodomoen/bosyu.htm
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