最低基準切り下げの動き
「規制改革会議第2次答申」
「地方分権改革推進会議中間まとめ」より
大阪保育運動連絡会会長 中山 徹
大阪保育運動連絡会会長 中山 徹
あけましておめでとうございます。
来年度、大阪で合研を開催します。それに向け今年度から本格的な取り組みを始めます。特に保育制度改革が再び活発化しそうなため、今年度の東京合研、来年度の大阪合研を成功させることが重要です。
さて、保育制度に大きな影響を与えそうなのは規制改革会議と地方分権改革推進委員会です。前者は2007年12月25日に「規制改革推進のための第2次答申」をだし、後者は11月16日に「中間的な取りまとめ」を発表しています。両方ともいろいろなことを書いていますが、共に重視しているのは最低基準の見直しです。
両者とも面積に関わる最低基準は昭和20年代に定められたものであり、現時点では科学的根拠が認められないとしています。ただし、論調は少し違います。規制改革会議は、東京都の認証保育所が認可保育所より低い基準になっているにもかかわらず、「基準の緩和による具体的な問題は必ずしも明らかになっていない」としています。そして、最低基準に関する実証的な検証をすべきとしています。要するに、面積については最低基準が高すぎる、本当に必要な面積まで下げろという論調です。
地方分権改革推進委員会は、「基準については、国が標準を示し、地域の実情に応じて地方自治体が責任を持って判断を行い、地域ごとに条例により独自の基準を設定することができるようにすべき」としています。つまり、国が全国一律の基準を決めるのではなく、認定こども園と同じように、自治体が最低基準を定めたらいいという判断です。ただし、現行の制度でも国が定める基準より高い基準を自治体は定めることができます。そのため、この論調は現行の基準よりも低い基準を自治体が定めてもよいと言うことを意味します。
論調は異なりますが、最低基準を実質的に下げる方向で議論していることは重大です。この点が、当面、最大の争点になるでしょう。
まず重大なことは、最低基準の見直しが子どもの発達という視点から提起されているのでなく、コスト面から提起されていることです。特に規制改革会議はその視点が強く、都市部では最低基準を確保するのがコスト的に大変というのが本音が見え隠れしています。昭和20年代とは終戦直後の混乱期です。その基準を不変のものとする必要はありません。むしろそのような時期に定められた基準を子どもの視点から検証し直そうと言うべきでしょう。
また、地方分権改革推進委員会は地方分権という視点から基準のあり方を見直そうとしています。この点で重要なことは日本のすべての子どもに最低限必要な水準(ナショナルミニマム)を国の責任で確保しなくていいのかという点です。これだけ格差が問題となっているときに、面積をナショナルミニマムから外すことが子どもにとって望ましいことかどうかをもう少し慎重に考えるべきです。
最低基準をめぐる動きはこの1、2年が山場になるでしょう。それを阻止する全国的な取り組みが重要ですが、同時に万が一、自治体が最低基準を決めるような事態になっても、あわてなくてすむような自治体づくりも大切です。ちょうど大阪府知事選挙があります。知事の意向は絶大です。公的な保育制度を大切にしてくれる人を知事に選びたいものです。
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